日本顕微鏡歯科学会 Autumn Seminar

平成27年11月1日 日大病院にて2015オータムセミナーが執り行われ、
10名の歯科医師・歯科衛生士が日頃の顕微鏡歯科治療の取り組みを発表しました。
演者には顕微鏡を使い始めて間もない先生からベテランの先生までと幅広く、発表内容は根管治療や修復、経営に関することや顕微鏡導入後の悩みなど非常に興味深い演題になりました。
本セミナーにおいては、すべての発表に顕微鏡治療動画を取り入れており、会員間での情報の共有に大変有効なものとなりました。
我々の臨床では治療をやりっぱなしというわけにはいきません。
何か問題が起きればその原因はなんなのかを検証しなくてはいけませんが、治療内容を動画で記録しておけばそれが可能です。
このような特性から、演者から『過去の自分に会える』という名言も生まれました。
動画に映し出される過去の自分は、未来の自分の財産になるのだと強く感じました。
ややもすると、私たちは美しい修復物や根管充填後の美しいレントゲン写真に目を奪われがちですが、演者たちの発表にはそのようなものは一切ありません。
愚直に治療に取り組めば自然とそのような映像の出番はなく、本当に大事な部分の映像が出てくるものだと感じました。
どの演者にも共通していたことは『この歯を救いたい』という熱い思いであり、会場の会員からの質問も活発に行われ、あっという間に時間が過ぎ2015オータムセミナーの幕は降りました。どうして本学会会員はここまで熱いのか。
このような白熱した討論の行く末に立ちはだかるのが現行の保険医療制度です。今回の演題には顕微鏡導入と歯科医院経営についての演題もありました。顕微鏡歯科治療の行く末は私たち歯科医師の一人一人の考えや取り組み方によって大きく方向性が変わるものだと強く感じました。

(文:表茂稔)


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