日本顕微鏡歯科学会
2024年 第7回歯科衛生士セミナー
第7回歯科衛生士セミナーレポート
2024年9月29日に日本顕微鏡歯科学会第7回歯科衛生士セミナー「マイクロスコープを用いた歯科衛生士の挑戦“録画から編集・プレゼンテーションをもっと身近に”」が東京赤坂での現地とwebにてハイブリット開催されました。
今回は3名の演者にマイクロスコープで録画した動画・写真をどのように編集し、臨床や教育等に活用しているのか講演していただきました。
今回は3名の演者にマイクロスコープで録画した動画・写真をどのように編集し、臨床や教育等に活用しているのか講演していただきました。
1人目 伊藤美妃さん(覚王山プライベートデンタル勤務)
“自由診療を経験して腑に落ちたOHIでの顕微鏡活用法”OHIを行う上での顕微鏡の大切さについてお話してくれました。
歯ブラシトレーニングでは、染め出し後と歯みがき後に口腔内撮影用ミラーを使いマイクロスコープで静止画を撮影するそうです。口腔内撮影用ミラーなら大きく、患者さんにもどこの部位なのかとても分かりやすく、また使用した歯ブラシの信用にも繋がるというのはとても勉強になりました。
「人は自分の話をしっかり聞いてくれた人の話はしっかり聞く」という言葉にハッとさせられました。
患者さんの話をしっかり聞き、資料を取り、患者さんと歯科衛生士の2人3脚で頑張る。
そのためにもマイクロスコープで撮影した写真・動画がとても大切なことに改めて気づかされたお話でした。
2人目 河内妙子さん(医療法人にいみ歯科矯正歯科勤務)
“認定資格を取得するまでのプロセスと次世代へマイクロスコープの魅力を伝える“認定歯科衛生士試験を受験する上で大切なことをお話してくれました。
60~90秒で起承転結のストーリーを作り、何を見せたいのか、何を伝えたいのかを考えて撮影・編集をすること。そのために1日1回でもマイクロスコープに触れること。姿勢、ミラーテクニック等動画撮影のポイントをわかりやすくお話してくれました。 また、マイクロスコープで撮影した動画を活用して行う新人教育方法についても紹介してくれました。
SRP等は、実際に先輩歯科衛生士がどんなふうにどこを診て、どんな角度でチップを当てているのかが大きな画面で見られるのはとても勉強になるのではないでしょうか。
「マイクロスコープを使いこなせるようになるには努力と継続が必要。自分の目標に向かってコツコツ頑張ること!」この言葉に元気づけられた私のように、これから認定資格の取得を目指している歯科衛生士さんにとってもとても励みになるようなお話でした。
3人目 高橋美嘉さん(すずしろ歯科)
“新人さんでもサクッ編集する方法“マイクロスコープで撮影した動画をどのように臨床に活用しているのか、また編集にはどのようなアプリを使用しているのか、アプリの特徴も踏まえて紹介してくれました。
撮影・編集した動画は医院内で年に3回行われる患者さん向けの口育セミナーで活用したり、月に1度のスタッフ全体ミーティングでは、動画のスキルアップ、ストーリー作成練習のために数人の歯科衛生士が編集した動画を発表しています。
日頃から認定資格取得のためにマイクロスコープを使いメンテナンスができるようになって早いうちから撮影➡編集➡発表という流れができています。
今までパソコンを使ったことがなくても、スマホの動画編集アプリで簡単に通勤中の10~30分でサクッと編集できるのは、パソコンで苦手な作業....と思っている方のストレスはすごく減るのではないかと思いました。
また、通勤中に自分で撮影した動画を編集することで自分の苦手な部分、上手にできた部分を振り返ることもでき、その日「今日はこれを意識して頑張ろう!」と思える良いメリットもあるなと思いました。
講演を終えて
座長の高橋規子さんの進行で総合ディスカッションが行われました。現地・web参加の歯科衛生士さんにその場でアンケートに回答していただく形式で興味深い結果もありました。
「日頃からマイクロスコープの動画編集をしていますか?」という質問では”50%がしていない”(34%がしている)”16%がしてみたい”という結果で、撮影はしていても編集まではしていない方が多いことがわかりました。
臨床で編集した動画を患者さんに見せることは少ないかもしれませんが、自分で撮影した動画を編集することは認定資格を取得するうえでも、苦手、課題に気づくことができる、勉強になる作業ではないでしょうか。
また撮影した写真・動画を患者さんに見ていただいても、心をグッとつかみ信頼関係を作る一歩になると思いました。
そして、少し面倒と思われがちな編集作業も今はスマホアプリでできる時代!歯科衛生士がどんな器具を使いどんなことをしているのか知らない患者さんは多いと思います。
マイクロスコープで拡大視野で診たものをそのままにしておくのは勿体ない!編集をして、また見てもらうことで患者さんも、歯科衛生士も自分自身の成長につなげていきたいと思いました。
とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
(文責:すずしろ歯科 藤原 めい)
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