日本顕微鏡歯科学会
2023年 第19回シーズンズ(サマー)セミナー
発表者
Dr.梅本健太
(ダイヤモンド歯科)
Dr.山本麻美
(すずしろ歯科)
Dr.嶋田秀芳
(エンドウナチュラルデンタルオフィス)
Dr.壹岐俊之
(いき歯科医院)
DH 木村汐里
(樋口歯科医院)
Dr.菅原佳広
(月潟歯科クリニック)
Dr.深水康太郎
(ふかみず歯科クリニック)
Dr.菅田真吾
(菅田歯科医院)
コメンテーター
櫻井善明、菅原佳広、長尾大輔、水川悟、三橋晃、三橋純(五十音順、敬称略)
第19回シーズンズセミナー(サマー)レポート
去る2023年8月6日(日)に住友不動産神田ビルを配信会場として、第19回シーズンズ(サマー)セミナーが開催されました。
会場には朝早くから演者とセミナー関係者とコメンテーターが集結し、開始前から熱気に包まれました。
会場には朝早くから演者とセミナー関係者とコメンテーターが集結し、開始前から熱気に包まれました。
10時ちょうどにセミナーが配信開始となり、司会の私の全体説明、そして渉外広報担当の菅原佳広理事による開会のご挨拶の後に、三橋晃学会長のユーモアに満ちたご挨拶で会場の緊張が解かれたと思われます。
1人目 ダイヤモンド歯科の梅本健太先生
“姿勢を意識したマイクロ診療”最初の演者はダイヤモンド歯科ご勤務の梅本健太先生が「姿勢を意識したマイクロ診療」というタイトルでご講演されました。
顕微鏡歯科において、研修医時代に身についた姿勢と指導を経て、現在の診療姿勢の違いを明らかにする、という顕微鏡初診者にとって非常に興味深いトピックスについて丁寧に説明されました。
顕微鏡診療スタイルの代表格である学会指導医の三橋純先生、長尾大輔先生のお二方より、特に無理な姿勢で腰が痛くなってしまう身体の軸について、ユニットや椅子の調整など的確なアドバイスがされてました。
2人目 すずしろ歯科の山本麻美先生
“マイクロスコープに夢中になる新人歯科衛生士の育て方“第2席はすずしろ歯科の山本麻美先生による「マイクロスコープに夢中になる新人歯科衛生士の育て方」という、これもマイクロDHを育成するために、多くの方が悩まれている非常に旬な内容で、会場でも耳目を集めた講演でした。
如何にして衛生士さん達がマイクロスコープに夢中になるかの医院独自のノウハウが詰め込まれており、視聴者も非常に参考になったと思います。
その後のディスカッションでも、コメンテーターの水川悟先生との楽しい掛け合いや、衛生士教育と言えばの櫻井善明先生と衛生士林智恵子さんから有意義なコメントを頂いて、とても白熱したセッションになりました。
3人目 エンドウナチュラルデンタルオフィスの嶋田秀芳先生
“下顎第一大臼歯に意図的再植を行った1症例〜マイクロスコープを使用するようになって変わった診療スタイル〜“第3席はエンドウナチュラルデンタルオフィスより嶋田秀芳先生が「下顎第一大臼歯に意図的再植を行った1症例〜マイクロスコープを使用するようになって変わった診療スタイル〜」の演題でご講演頂きました。
こちらの医院では歯科医師も歯科衛生士も、非常に積極的にマイクロスコープによる診療を実践しており、今回はポジショニングに工夫が必要な外科処置を顕微鏡下に行い良好な臨床結果を得たとのことで、その記録を供覧して頂きました。
コメテーターの三橋晃先生と長尾大輔先生のコンビが、保存専門医の立場から鋭い指摘をされてました。
4人目 いき歯科医院の壹岐俊之先生
“削除困難部位にあるう蝕のMI窩洞形成“次の第4席はいき歯科医院の壹岐俊之先生による「削除困難部位にあるう蝕のMI窩洞形成」というタイトルでのご講演でした。
マイクロスコープの利点を遺憾なく発揮したケースプレゼンに対して、MI修復で陥りやすい観点などを、鋭い視点からコメンテータの菅原佳広先生と三橋晃先生がアドバイスをされておりました。
ここで休憩に入り、当学会の友好団体であり12月に開催されたAsia-Pacific Microscopic Dentistry Meeting(APM)および10月に開催された当学会の衛生士セミナーのPR動画が上映されました。
5人目 樋口歯科医院の木村汐里さん
“生活習慣の変化と口腔内の変化について“ブレイク明けは福岡県よりリモート講演として樋口歯科医院の歯科衛生士である木村汐里さんが「生活習慣の変化と口腔内の変化について」というタイトルで講演されました。
リモートにも関わらず朝早くから樋口歯科にてスタンバイして頂いており、その熱意が遠く東京まで伝わるような講演でした。
内容も喫煙習慣などをマイクロの映像を通して患者の意識を変えていくことにより口腔内をより良く変化させて行くという、とても示唆に富んだ内容で全国のマイクロDHさん達に響くトピックスだったと思います。
コメンテータの櫻井善明先生&衛生士の林さん、そして菅原佳広先生の御三方も忌憚のない助言をされてました。
6人目 月潟歯科クリニックの菅原佳広先生
"Deep Margin Elevationへの挑戦“そして第6席は何とこのセミナーを担当する渉外広報委員会の委員長である菅原佳広先生自らがプレゼンをされました。
お題も「Deep Margin Elevationへの挑戦」というepoc makingなタイトルで菅原ワールド全開の素晴らしいご講演でした。
ラバーダムシートをマトリックス代わりに用いるこの手法に対し、ここは三橋晃先生と長尾大輔先生のコンビに辛辣なコメントを頂こうとマイクを向けた所、JAMDのコアな部分が抽出されたような濃密な議論が展開されました。
7人目 ふかみず歯科クリニックの深水康太郎先生
“Deep Margin Elevationへの挑戦“第7席は遠方福岡県よりふかみず歯科クリニックの深水康太郎先生が「マイクロスコープに電動ズームを取り入れて臨床で変わったこと」という演題でお話頂きました。
福岡のマイクロ勉強会で鎬を削っており、その臨床レベルの高さは言うまでもないですが、近年普及しつつあるマニュアルフォーカスの顕微鏡に後付けできる電動フォーカスについて顕微鏡歯科臨床での利点を詳細に報告されました。
私自身も導入しており非常に興味深い内容であり、深水先生にスライド内にも登場したオートフォーカスと言えばこの人三橋純先生と、黎明期からマイクロスコープ臨床に携わっている水川悟先生に偏狭的にならないバランスの取れたコメントを頂きました。
8人目 菅田歯科医院の菅田真吾先生
“VISTAテクニックを応用したポンティックサイトにおけるリッジオーギュメンテーション“最後の第8席は菅田歯科医院の菅田真吾先生による「VISTAテクニックを応用したポンティックサイトにおけるリッジオーギュメンテーション」という、ペリオ・外科系にとっては垂涎モノのテーマでした。
VISTAが普及して幾何か経ちましたが、マイクロスコープはこの術式にうってつけと言え、拡大視野ならではの細かな術式をご供覧頂きました。
外科系にも精通している水川悟先生並びに三橋純先生に、マクロでマイクロな視点でのコメントを頂き最後のセッションを閉じました。
発表を終えて
終わってみれば全8席全て非常に熱い議論がなされたと思っております。
学会副会長が公務で不在のため、代理で長尾大輔事務局長の閉会の辞により無事セミナーを終了しました。
最後に参加者全員で写真撮影を行い、そのまま懇親会へと突入しました。
最後に参加者全員で写真撮影を行い、そのまま懇親会へと突入しました。
来年2024年度のシーズンズセミナーはコロナ禍も明け、対面方式の方がより熱いディスカッションもできるということで、全員現地参加型に戻る予定です。
学会からの情報をキャッチアップし、是非参加されるよう学会員の皆様にお願いしつつ稿を終えたいと思います。
視聴された皆様を含め参加された皆様方、ありがとうございました。
学会からの情報をキャッチアップし、是非参加されるよう学会員の皆様にお願いしつつ稿を終えたいと思います。
視聴された皆様を含め参加された皆様方、ありがとうございました。
(文責:柴原清隆(サマーセミナー担当者))
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