日本顕微鏡歯科学会
2023年 第6回歯科衛生士セミナー
第6回歯科衛生士セミナー レポート
2023年10月29日に日本顕微鏡歯科学会第6回衛生士セミナー『マイクロスコープで叶えるチーム医療』が昨年に引き続き東京都神田での現地開催とWebにてハイブリッド開催された。
今回は4人の演者に、院内でどのようにマイクロスコープを活用してスタッフ間と連携をとっているのかをご講演頂いた。
今回は4人の演者に、院内でどのようにマイクロスコープを活用してスタッフ間と連携をとっているのかをご講演頂いた。
1人目 デンタルクリックK勤務の宇野菜都美さん
“アシスタントワークについて”拡大視野下の情報を共有する際に重要となるポイントを3つに分けてお話しされた。
マイクロスコープを使用するにあたり必要となってくるモニターは、情報の共有の他にも後輩育成の「伝える」に使用することができる。
言葉のみの説明よりも明確に伝えられるので後輩が理解しやすい。
また、画像のクオリティをあげるためにミラーの取り扱いについても分かりやすく説明してくれた。
2人目 同じくデンタルクリックK勤務の浅子玲菜さん
“記録のメリットについて“後輩育成の事例も含めて発表してくれた。
診療中に気になった事を記録に残しておけば、後から歯科医師や歯科衛生士に相談をすることができ、スタッフ間の情報共有にも繋がる。
このようにして後輩の記録を見ながら診療のアドバイスがいつでもできる環境が整っていることも紹介してくれた。
また、デンタルクリニックKではマイクロ勉強会を行っており、歯科衛生士業務の共有や撮影のアドバイス等を先輩衛生士や歯科医師からもらったりしながらお互いに切磋琢磨しているとのことだった。
3人目 はたなか歯科クリニック勤務の小田亜里奈さん
“認定歯科衛生士制度を活用したチーム医療について“マイクロスコープを使用する歯科衛生士が目標とする「認定歯科衛生士」についての取得に関する内容だった。
認定試験では60〜90秒の動画を撮影しなければならない。
そのため、後輩を指導する際に認定歯科衛生士を取得のための動画スタイルの導入を行い、自分が他の人に見せたり発表するときには常に時間配分や動画のストーリー性を作る癖をつけるようにしていると発表の中で話していた。
認定取得のための動画スタイルを導入することで、記録・報告・説明が日常的にできるようになるとのことだった。
また、個人練習や仲間との練習についてのポイントも語ってくれた。
4人目 すずき歯科医院勤務の増田梢さん
“医院の中で有効にマイクロスコープを共有する方法について“歯科医師と歯科衛生士に向けてマイクロスコープを使用したチーム診療についてお話しされた。
マイクロスコープは機種によって色調が異なってくるので、歯肉の状態の経過を追いたいときはユニットを指定して予約を取るようにしているとアドバイスを頂いた。
また、歯科医師と歯科衛生士のペア制度をとることで診療の連携が取りやすく、患者一人ひとりの口腔内の情報を歯科医師とともに共有し、良い状態を維持することで全身の健康にもつながってくると話されていた。
発表を終えて
座長の森田佳子さんの進行で総合ディスカッションが行われ、演者の3人に加え各歯科医院の歯科医師(渥美克幸先生、畑中昭彦先生、山田明先生)を交えた、院内の“チーム”としての話を聞くことができた。その後演者と歯科医師に対しての質疑応答もあった。
講演では聞けなかった内容についても丁寧にご回答いただき、認定歯科衛生士の取得の際のアドバイスも症例を踏まえて提示してもらい非常に勉強になった。
今回の講演では、歯科医院という中でのチーム医療について多くの学びを得ることができた。
その際に活躍するのが「マイクロスコープでの記録を共有すること」で、時にはスタッフ間とのコミュニケーションツールとして活躍することもある。
新人衛生士にとって、大きなモニターで先輩衛生士の業務が見れることは大きな成長になるのではないかと思う。
伝えようとすることは自分の学びへと繋がるということを胸に、明日からの診療に活かしていこうと思う。
その際に活躍するのが「マイクロスコープでの記録を共有すること」で、時にはスタッフ間とのコミュニケーションツールとして活躍することもある。
新人衛生士にとって、大きなモニターで先輩衛生士の業務が見れることは大きな成長になるのではないかと思う。
伝えようとすることは自分の学びへと繋がるということを胸に、明日からの診療に活かしていこうと思う。
(文責:鎌倉デンタルクリニック 森理佐子)
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