日本顕微鏡歯科学会 2019年 Autumn Seminar

来たる11月10日

長井記念ホールにてオータムセミナーが開催された。当日会場は満席であり衛生士の参加も多数見られた。開会に先立ち三橋純会長により挨拶がありその時に本年12月に行われるAPM、来年の福岡大会の告知、そして中国顕微鏡歯科学会の参加レポートについての報告が行われた。

会員発表では
 
1)大石慶二先生より「ラバーダムの工夫について」という発表が行われ各社のクランプの幅、クランプの締め付け強度を実験されその考察を発表され使用しているクランプの理解が深まった。

2)山本りささんより「顕微鏡歯科入門2年目」という発表が行われ自身が衛生士として、そして顕微鏡を使い始めて2年間の経緯、そして昨日行われたAMEDの参加レポートも発表された。質問では2年目であそこまで使えるにはどうすればいいのかという意見が出てそれに演者と先輩衛生士が回答されていた。

3)畑中昭彦先生より「当院における歯科衛生士の顕微鏡での取組みと教育」という発表が行われ保険診療の中で歯科衛生士がいかにマイクロスコープを有効に使用できる環境を模索しながら行っているか発表された。
質問では導入前と導入後に診療時間なども含めてどのような変化があったのかという意見がでた。
 
4)松本弥之先生より「顕微鏡認定医が喉から手が出るほど欲しい…」という発表が行われ来年の認定医試験に向けての症例発表が行われ会場より症例に対する注意点および動画撮影法のアドバイスの意見が出た。
 

5)渡瀬秀彦先生より「マイクロスコープを使った3年を振り返って」という発表が行われマイクロ導入されて3年間で歯内治療のみならず様々なケースで使用されており会場から以前の発表を聞いていた先生からレベルが向上されているという声が上がった。
 
6)戸田成紀先生より「マイクロスコープとレーザーを用いた日常診療」という発表が行われレーザーの機種の選定法、マイクロスコープ化でのレーザーの使用の優位性を発表され会場の多くがレーザーに興味を寄せていた。
 
7)谷本幸司先生より「補綴設計の決定にマイクロスコープを活用した一例」という発表が行われ複雑な補綴設計を一歯単位でマイクロスコープにより歯牙の状態を確認し最終補綴物を決定するというこだわりが見えた。

 
8) うめむら歯科医院 梅村 匠先生より「PRFとマイクロスコープを使用したソケットリフト法」という発表が行われ文献に基づいたPRFの優位性、そしてソケットリフト時におけるマイクロの有効性を発表され上顎洞粘膜のパーフォレーションに対してマイクロを使用することが有効であることがわかった。

特別企画として
厚労省医政局研究開発振興課課長補佐 渡邊祐介先生より
「臨床研究法の理解と対応」と題してわかりやすく臨床研究法に関して逐次質問を受け付けながら講演していただき勘違いしているところがわかり非常に有意義な講演となった。

また懇親会にも多数参加し様々なディスカッションが続いた。

(文責 池尻 敬)

 


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