日本顕微鏡歯科学会 2017年 Summer Seminar


平成29年7月9日、第8回2017サマーセミナーが、日本大学病院にて開催されました。

梅雨明け前とは思えない暑い天候の中、今回のセミナーでは、5名の歯科医師が日頃の顕微鏡歯科治療の成果、疑問点などを発表し、質問などで活発な議論が交わされ、熱い空気となった。

会の冒頭、開会のあいさつで、辻本会長より、セミナーの趣旨説明として、「ざっくばらんなセミナー」「若い人の発表の場」「症例相談に」という言葉で、学会的な少し張り詰めた空気から、少し和やかな雰囲気となり、会がスタートした。

発表では、顕微鏡を使い始めて経験の浅い先生から、中堅どころ、大ベテランまでの幅広い発表となり、内容も、根管治療に偏らず、日常臨床ですべての治療を顕微鏡で行う日常、専門的でアカデミックな内容、症例相談、顕微鏡を購入するための資金調達方法のことまで多岐にわたった。

全発表の中で共通していたことは、顕微鏡治療の優れた特徴の一つである「記録して振り返り、ブラッシュアップし、次の回に生かす。」ということであった。
日常では、通り過ぎた過去は忘れ去られてしまうことが多いが、良い経験、苦い過去も記録した内容を振り返り、検討考察して、次の機会にはよりよきものに!そして、今後通るであろう道を後輩達に伝える!
そんな、従来型の「背中を見て育て」という徒弟制度的な医療から、疑問内容を映像で見せて、現実に起きていることを映像で見せ共通体験をさせる。ある種VR的な新しい医療の側面も垣間見られた。

日本では、高齢化が進み、集団という切り口になると、平均年齢が高くなる傾向が否めない。学会等でも、元気な高齢者が多く、代替わりが進まず、若手が活躍しづらい状況にあるが、本会では、「若手への発表の場の提供」という趣旨が守られ、白熱した議論の中にも温かい雰囲気が残る「ほっこりした会」となり、ますます若手が活躍できる場であることが会を重なるたびに強調され、今回もそのことが証明された。

(文:医療法人社団 琇光会 すみたけ歯科 角竹 功次)



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