日本顕微鏡歯科学会 2016年 Autumn Seminar
平成28年10月2日、2016オータムセミナーが、日本大学病院にて開催されました。 今回のセミナーでは、7名の歯科医師が日頃の顕微鏡歯科治療の成果、疑問点などを発表しました 本セミナーは、「ざっくばらんなセミナー」となっているため、普段質問しづらい臨床のポイント、失敗症例のリペア、レーザー治療や外科処置から患者とのラポールの形成まで、様々な内容で議論されました。 演者は、顕微鏡歯科治療を始めて、1、2年という方から、10年近く使われている方まで様々でしたが、皆共通して「なるべく歯を残したい」という信念もと治療に取り組んでいることがわかる発表でした。中でも数名の演者が「木を見て森を見ず」と同じフレーズを用いたことが印象的でした。 シーズンセミナーも三回目を数え、出席者の大多数が、普段の診療の大半に顕微鏡を取り入れる中で、顕微鏡歯科治療に没頭しすぎると、患歯周囲の歯、口腔全体を見落としがちですよ、という注意喚起にも聞こえ、日頃の診療を一歩引いた目で見直そうと感じさせられました。 さらに、小児歯科の珍しい症例への対応や、ポストコア除去時の超音波チップの使い方など、明日は我が身と思える内容も多々あったので、聴講者からの質問もあり、白熱したセミナーとなりました。 今年の4月から顕微鏡が一部保険導入され、今後ますます普及されることが予想されます。それと同時に顕微鏡を導入したての方が、なかなか顕微鏡歯科治療に馴染めず、「顕微鏡難民」となることが予想されます。そのような方に、様々な疑問点の解消やスキルアップの場が求められてきます。 まさに、そのような方の受け皿として、本セミナーが活用されればと強く感じました。(文: 医療法人社団 顕歯会 デンタルみつはし 成瀬 遼吉) |